ベゴニア属は、熱帯~亜熱帯にかけて約2000種が分布するといわれる。
多くは多汁質の多年草または半低木である。
茎は直立あるいはほふくして根茎となるほか、
つる性となるものもあり、塊茎や球根をつくるものもある。
葉は互生し、ふつう左右非相称形で多様な形態をとり、
有柄で托葉をもつものが多い。
花は集散花序につき、単性で雌雄同株である。
通常雄花は花弁化した2個の萼片とそれによりやや小さい2個の花弁をもち、
雌花は2個の花弁化した萼片と3個の花弁をもつが、花弁を欠くものもある。
花色は白、赤、ピンク、オレンジ、まれに黄色がある。
雄しべは多数で、花糸が分離するか、基部で合着する。
花柱はふつう3裂し、柱頭が2~3に分かれねじれる。
子房は下位で2~5室からなるが、多くは3室で3個の翼状突起をもつ。
果実は多くは蒴果であるが、液果もある。
種子は微細で多数あり、胚乳はない。
非常に多くの園芸品種があり、形態的な変異が大きいので、
ふつう園芸の分野では、茎や根の形状をもとに、木立性ベゴニア、
根茎性ベゴニア、球根性ベゴニアの3グループに大別する。
さらに主要な園芸品種については、交雑親の系統によって分けられている。
また、本属の中でとくに花が美しく、観賞価値の高いものを
「花ベゴニア」と総称している。この「花ベゴニア」は、
冬咲きベゴニア、エラティオール・ベゴニア、球根ベゴニア、
四季咲きベゴニアなどをさすが、花壇に利用される四季咲きベゴニアを除き、
あとは施設内の栽培により鉢物として生産されている。もちろん、
このほか木立性ベゴニアの中にも観賞価値の高いものがあるが、
園芸的には先の4グループがもっとも発達している。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の仲間は、ベゴニアの園芸品種および、
ベゴニア・エラティオール 、 木立性の
キダチベゴニア とその園芸品種、
および、
キダチベゴニア・ベノサ 、 観葉ベゴニアの
レックスベゴニア とその園芸品種などを記載している。