ヤマボウシは、本州、四国、九州、琉球諸島、
朝鮮半島、中国に分布する落葉高木である。
欧米には江戸時代に渡っており、
観賞樹木として広く栽培されている。
高さ10~15mで胸高直径30~70㎝になる。
樹皮は暗朱褐色になり、亀甲状や不規則に剥離して美しい。
樹形は卵形または円形である。葉は対生し、
倒卵形か楕円形で長さ5~12㎝で幅3~7銭で鋭先頭で鋭脚である。
葉面は薄質で多少波うち表面が濃緑色で、
裏面は淡緑色で脈腋に黄褐色毛がある。
側脈は4~5対である。秋に紅葉する。
花は白色で、6~7月に開花する。
総苞片は白色で大きく、先端がとがり淡緑色の平行脈がある。
落花の前に総苞片は淡紅色を帯びる。
果実は石果で8月から9月に成熟し、
たがいに癒着して径約2㎝の集合果をつくり、紅橙色を呈する。
果柄は長さ4~5㎝である。果肉は粘質で甘く、食べられる。
三枚目(左)は、おばごりさんが、「花博士」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 こちらでは今、こんな奇麗なお花が満開ですが、
名前がさっぱり判りません。』
ということで、花の名前を聞きにこられました。
それに対し、野の調べさんが、四枚目(左)の画像を添付し、
いち早く次のコメントをつけてくれたものである。
『 画像が小さいので判りづらいのですが、
ヤマボウシに似ていますが、如何でしょうか?』
五・六枚目(左・左下)は、こまさんが、上のお二人のやり取りを見て、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 私も今朝散歩にデジカメ持って出掛け写して
来ましたよ。同じ樹ですね。
北海道ではあまり見かけませんが、ご近所に立派な
樹があるので気になって写してきまたのよ。
ネットで調べて見ると野の調べさんの言われるとうり
「ヤマボウシ」のようです。
ちなみに「ハナミズキ」の事を「アメリカヤマボウシ」と
いうそうです。
どちらも「ヤマボウシ属/ミズキ科」だそうです。
似てるはずですね。』
こまさんの言われる通り、ヤマボウシはハナミズキと同じ
「ミズキ科ミズキ属」の植物であり、どちらも花弁のように見えるのは
総苞片
であり、その花姿はよく似ている。
両方の見分け方は、ヤマボウシは、総苞片の先端が尖っていますが、
ハナミズキは丸く浅い切れ込みがある。
また、花柄がヤマボウシはかなり長いが、ハナミズキはヤマボウシより短く、
花が咲き終わって総苞片が落下すると、その長さの違いがわかる。
さらに、果実が成熟するとその果実の形がまったく異なり容易に判別できる。
七枚目(左)も、おばごりさんが、NIOがHPを移転したことに対する慰労のために、 「お引越しお疲れ様でした。」 のタイトルで、私に送ってくれたものである。
八枚目(左)も、野の調べさんが、「ヤマボウシ」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 雑木林の中でヤマボウシ見つけました。
したたるような緑の中でひときわ映えていましたよ。
秋に赤く熟した果実はヤマグワって本当なので
しょうか?。
桑の実ジュースとは別なのでしょうか?。』
調べたところ、実の表面が桑の実のようにブツブツしているので、 別名をヤマグワという説もあるが、 一般に「桑( ク ワ )」と呼んでいる植物の和名が「山桑(ヤマグワ)」であり、 この図鑑ではヤマボウシの別名をヤマグワとはしないこととした。
九枚目(左)も、野の調べさんが、「ヤマボウシの実」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 5月頃に花が咲き、今はもう実になっていました。
熟した実を観るのは初めてでした。
ちょっと失礼して食べてみると柔らかくてジューシイ
でした。後は、鳥のご馳走でしょうか。』
本属の仲間は、 ハナミズキ 、 サンシュユ を掲載している。
十~十二枚目(左~左下)は、ヤマボウシの果実である。
ヤマボウシの果実は、小さな果実が集まって見たような球状の集合果を形成する。
結実したばかりは緑色であるが、9月ごろになると十二枚目のように橙色に成熟する。
ミズキ属は、約40種からなり、北半球の温帯に分布する。
多くは落葉性の高木または低木であるが、ときに常緑の多年草がある。
葉は有柄で、対生または互生し、単葉で全縁である。
花は両性で、散房、頭状、散形花序などにつき、総苞片のあるものとないものがある。
萼筒は壺状または鐘状で子房に合着し、萼裂片は小さい。
花弁は4枚で雄しべも同数ある。花色は白、淡黄緑色、黄色である。
子房は1または2室で、各室に1個の胚珠を含む。花柱は単一である。
果実は石果または液果で、ときに集合果となり、紫黒、黒、紅、黄、白色などに熟す。
日本には6種が自生し、ほかに北アメリカ原産のアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)
が花木としてよく栽培されている。