モチノキ
イレクス(モチノキ)
Ilex rotunda
イレクス・ロツンダ
Kurogane holly
関東・東海以西、済州島、中国(長江以南)、
台湾、インドシナ半島北部に分布
常緑高木
クロガネモチは、関東・東海以西、済州島、中国、台湾、
インドシナ半島北部に分布し、樹高は15mにもおよぶ。
花は淡紫色で5~6数性である。雄花、
雌花ともに本年枝につく。よく結実し、紅熟して美しい。
通常は庭木にされるが、鉢植としても実をつけた小鉢が売られる。
枝垂れ性のものもある。
同属に、モチノキ [
I. integra (I.インテグラ)] があり、
よく似ているが、本種は葉が中肋に沿って上面に中折れになり舟形になることと、
葉柄および幼枝が紫色を帯びることから区別しやすい。
一・四枚目(右上・左最下段) は、雌花である、
花弁および雄しべは6数性から6個である。
最外側の淡黄緑色のものが花弁であり、
その内側に直立している6個の淡紫色のものが、
葯(花粉が入っている袋)がない雄しべ(不稔雄ずいという)である。
中心に1個あるのが雌しべである。本種はほとんどが雌雄異株のため、
花粉は別の雄花から飛んできて受粉する。
本属の仲間は、
アオハダ 、
イヌツゲ 、
マメツゲ 、
セイヨウヒイラギ 、
モチノキ
など、なじみの樹木を掲載
している。
モチノキ属の樹木は、広く世界に分布し、
主に北半球に多く約400種からなる。
日本には二十数種が自生している。
高木または低木で、ほとんどが常緑性である。
葉は互生し厚く一般に光沢がある。
花は車形で葉腋に単生するか集散状につき、
小さく淡色で目立たない。萼片、花弁は同数でふつう4個ある。
雄花は花弁と同数かそれ以上の雄しべをもつ。
雌花は1個の雌しべと不稔(まれに稔性)の雄ずいをもつ。
子房は4(~8)室である。雌雄異株であることが多いが、
ときに雑居性を示す傾向がある。
果実は球形の石果状で、4~8個の核を含み、
熟して赤、黄、黒色になる。核には1種子がある。
葉や果実の美しいものが多い。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]