ダイアンサスは、ナデシコ属に属する植物の総称である。
ナデシコ属は約300種からなり、ほとんどが多年草であるが、
ときに一年草、越年草または二年草で、ヨーロッパ、地中海沿岸地域、
アジア、熱帯および南アフリカの山地などに広く分布する。
日本にはエゾカワラナデシコ、ハマナデシコ(フジナデシコ)、
シナノナデシコ、ヒメハマナデシコの4種が自生し、
ほかにカワラナデシコ、タカネナデシコが区別されている。
アルメリア、チリなどに分布する種は明らかな一年草であり、
ハマナデシコは環境条件によって一年草にも多年草にもなる。
ナデシコ属は、茎にやや肥厚した節を有し、
多くの種ではここに細くて先のとがった葉を対生する。
花は頂生であるが、単生するか、集散あるいは散形花序などにつき、
種によってさまざまである。
萼は筒状で5歯があり、基部には2~多数対の苞がある。
花弁は5枚で、舷部は開出し、基部は長く爪状となる。
雄しべは10個である。
開花時期は日本では、5~6月の一季咲きを示すものが多いが、
ときに二季咲きの様相を呈するもの、
比較的長期にわたって開花し続けるものなどさまざまである。
園芸品種では四季咲きに改良されたものが多い。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]