










ビジョナデシコは、ヨーロッパ東南部に分布する多年草である。
多数の小さな花が散形に密に集まり、先端の細くとがった無数の総苞がある。
1573年イギリスに紹介され、豪華な草姿と甘美な雰囲気によって花壇に君臨した。
日本へは1888(明治20)年に渡来し、現在では切り花用の高性品種、
花壇・プランター用の矮性品種など多くの園芸品種がつくられている。
茎は太く直立し、幅広の葉、豊富な花色(緋赤、紅、紫紅、
桃、白、蛇の目入りなど)、長い開花時期が特徴である。
ナデシコ属は、茎にやや肥厚した節を有し、
多くの種ではここに細くて先のとがった葉を対生する。
花は頂生であるが、単生するか、集散あるいは散形花序などにつき、
種によってさまざまである。
萼は筒状で5歯があり、基部には2~多数対の苞がある。
花弁は5枚で、舷部は開出し、基部は長く爪状となる。
雄しべは10個である。
開花時期は日本では、5~6月の一季咲きを示すものが多いが、
ときに二季咲きの様相を呈するもの、
比較的長期にわたって開花し続けるものなどさまざまである。
園芸品種では四季咲きに改良されたものが多い。