ノカイドウは、九州の霧島山に分布しており、
自生地では天然記念物に指定されている。
落葉小高木で、短い枝は刺状となることが多い。
葉は倒卵形または楕円形で無毛で、
初め上面に毛があるが、後に脱落する。
花はやや淡紅色を帯び、やや大形で径2.5㎝である。
花柄は長さ2~2.5㎝である。
果実は赤く、径6~8㎜の円形を呈し、
頂部に萼裂片の脱落痕がある。
画像(三枚共)は、野の調べさんが、「花冷え」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 今日霧島山のみに自生するノカイドウをみてきました。
霧島山の麓、えびの高原に春を深く印象づけるかの
ようにピンク色の蕾、その姿は可憐で美しく優雅でした。
ノカイドウは世界中でこのえびの高原の渓流沿いに
しか自生していない大変貴重な植物で、絶滅の恐れが
あり、国の天然記念物に指定されています。
また、シカに樹皮をたべられるので、金網で防護策が
とられてました。蕾は薄紅色,開けば白い可憐な花に
かわるという珍しい花です。』
ノカイドウの花は、一見桜の花に似ているが、
実はリンゴの仲間である。
リンゴ属は、ヨーロッパからアジアにかけて北半球の温帯に
30種が分布する落葉高木である。
葉は有柄で互生し、葉縁には鋸歯がある。
花は集散花序で、花色が白または淡紅色で、
花弁は5枚で、雄しべは15~50個と多い。
葯は黄色である。子房は下位で3~5室からなり、
花柱も同数あるが基部で癒合する。
この花柱基部が癒合すること、
果肉中に石細胞がないか少ない点でナシ属と区別されている。
果実はナシ状果で、3~5室あり、各室に2個の種子を含む。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の仲間は、
カイドウ 、
ズ ミ 、
リンゴ 、
ヒメリンゴ
などを掲載している。