ショウジョウボク(猩々木)
トウダイグサ(トウダイグサ亜科)
ユーフォルビア(トウダイグサ)
Euphorbia pulcherrima
ユーフォルビア・プルケリマ
メキシコ原産
常緑低木
ポインセチアは、メキシコ原産の常緑低木である。
インディアンはこの輝くような苞の色を、清純のシンボルとして
いたほか、赤紫色の染料を取り出して使用したり、ポインセチア
の乳白色の樹液を解熱剤として利用していたとも伝えられている。
1825年にポインセット氏が最初にアメリカに導入し、その後
ヨーロッパにも普及した。日本には、明治中期に渡来した。
12月に苞が緋赤に着色するのでクリスマスの花として使用され
るようになった。最近は品種改良が行われ、白やピンクの苞の
色の園芸品種もあり、需要は増えつつある。
ポインセチアは短日性植物で、日本の自然日長下では10月
下旬から花芽分化が始まり、苞が着色する。その後も保温下に
置くと、翌春から腋芽が伸長し、12月にはふたたび開花する。
このように温室内では多年生となり、分枝しながら成長し、数年
間に5m以上にも生育する。しかし寒さに弱く、霜にあたると枯死する。
葉柄は長さ3~4㎝あり、葉は卵形または楕円形で先端が尖
り、長さ10~15㎝ほどになる。葉は互生につくが、枝先では節間
がつまって輪生状となり、着色して苞になる。葉縁は円鋸歯状と
なるが、園芸品種によって異なり、数ヶ所に大きな突起のある
ものもある。葉の両面はほとんど無毛である。
苞は野生種では幅が狭くて細長いが、最近の園芸品種では
苞の幅が大きくて厚く、全縁で色もさえて一段と美しい。茎や葉
の切り口からは乳白色の乳液が出る。花は椀状花序につき、
茎の頂部に15~25花序ほど着生する。花枝は順次に3分枝し
ながら発達する。生育の旺盛な枝は花序数が多くなる。椀状
花序は7㎜ほどで、緑色の壺型の総苞に包まれており、花被がない。
総苞の中に1個の雌花があり、花が成熟すると、子房柄を伸ば
して柱頭が3裂する。
雌花の周囲には5~6個の雄花(1個の雄しべからなる)があって、
雌花より早く上部に抽出する。
花序には総苞の横に1個の大きな密腺がつく。
トウダイグサ属の植物は1600~2000種が知られ、全世界に分布している。
なかでも亜熱帯から熱帯にかけて集中して分布している。
多肉植物として扱われるものを多く含み、それらは主としてアフリカ大陸一円、
マダガスカル島、アラビア半島、カナリア諸島、一部が
インド、スリランカ、アメリカ大陸に分布している。
分布範囲の広さに対応して、植物の形態も多様に変化している。
雌雄同株または雌雄異株の草本、低木または高木がある。
乳管をもち、茎や葉の切り口から乳液を出す。
乳液にはユーフォルビン(
euphorbin )と総称されるアルカロイドを含むために、
多くは有毒である。
茎はしばしば刺をもち、多肉質となるものもある。
葉は互生、対生もしくは輪生で、単葉で有柄または無柄で、
全縁あるいは歯状突起がある。
葉が未発達なものや欠くものが多肉植物でよく見られる。
本属は特有な椀状(杯状)花序を形成し、
5個の総苞片が合着した椀状の総苞の中に花を生じる。
雌雄同株の場合は、椀状花序内の中央に
1個の雌花とそれを取り囲んで多数の雄花がある。
雌雄異株の場合は、椀状花序内に雌株の場合は雌花1個、
雄株の場合は多数の雄花がある。
雌花は、基部に柄のある子房と先端で3裂する花柱があり、
さらに上部で3裂する花柱分枝のそれぞれが2裂して柱頭となる。
萼片と花弁は退化して無花被である。雄花は無花被でただ1個の雄しべからなる。
椀状花序は頂生あるいは腋生する。
椀状花序には、付属物として1~5個の腺体があり、
種によって腺体の下部にエプロン状(花弁状)の付属体を生じる。
また、ポインセチアに代表されるように、椀状花序の下に苞があり、
美しく着色するものもある。
果実は3心皮からなる3室の蒴果で、各室に1個の種子を含む。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本属の仲間は、
ショウジョウソウ 、
トウダイグサ 、
ハツユキソウ 、
ハナキリン 、
ユキハナソウ 、
マハラジャ 、
ホルトソウ 、
ユーフォルビア・ポリクロマ 、
ユーフォルビア・カラキアス・ウルフェニー などを掲載している。