ユリは、北半球の亜熱帯から亜寒帯に分布する多年草である。
ユリ属は、96種あまりがあるが、
研究者により種数のとらえ方に差がある。
すべて北半球の亜熱帯から亜寒帯に分布し、
南限はインド南部の高所であり、北限はシベリアの北緯63°である。
垂直分布は海辺の岩上、砂丘から標高4000m以上の高所におよぶ、
北アメリカに約25種、ヨーロッパに約12種、アジアに約59種あり、
日本にはそのうち約15種があるが、半数は日本特産であり、
しかも観賞価値の高いものの多いことで世界的に有名である。
ユリ属は、地下部に肉質の鱗茎からなる無皮鱗茎を形成する。
ふつうその上下から根を出すが、上根を欠くものもある。
下値はおもに収縮根で、地上部の安定をはかるためのものであり、
2ヵ年は生育する。
上根はおもに肥料の吸収を行うもので、地下茎の枯死とともに枯れる。
茎は単一で、1鱗茎から1茎を出し、
直立するかまたは地下を多少ほふくしてから地上へ出る。
葉は互生または輪生する。
子球は定位置以外にも生じ、ふつう茎の地下部に木子をつくるが、
ときに地上茎の葉腋に珠芽(むかご)をつくる。
一般に春に茎が伸びるときに花芽分化を行い、
初夏から秋にかけて開花、結実する。
多くは自家不和合性であるが、自家和合性のものもある。
園芸的には耐寒性秋植え球根のひとつで、
この仲間ではもっとも開花期が遅い。
花は頂生で、単生するかまたは総状花序、
円錐花序、散形花序などにつく。
6個の花被片からなり、内外2輪に配する。
雄しべは6個ある。葯は丁字着である。
雌しべは1個で柱頭は3浅裂する。
子房は上位で3室で中軸胎座型である。
果実は蒴果で種子は多数あり、扁平で周囲に薄膜状の翼があり、
風による散布に適応している。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
五枚目(左)は、みずがめ座さんが、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 今年も巨大な百合が咲きました。
なんと直径30センチはあります。
つぼみも12個付いています。
草丈も2メートル弱あります。
庭の王様??です。』
本属の仲間は、
オニユリ 、
ササユリ 、
ノヒメユリ 、
タカサゴユリ 、
エゾスカシユリ
などを掲載している。