アサガオは、園芸品種が多い花の一つである。
日本では主に Pharbitis nil
を改良したものが多い。
アサガオの渡来年代ははっきりしていないが、
およそ1200年前の遣唐使によって薬種としてもたされたと推測されている。
アサガオ栽培が最盛期を迎えたのは、幕末の文化・文政の頃で、
現在でも見られる多様なアサガオの園芸品種が形成された。
その後も流行りすたれがあり、現在は、
園芸品種の大輪アサガオと変形アサガオが注目されている。
アサガオ属は、蔓性の植物で熱帯アメリカあるいは
熱帯アジア原産とされているが、現在では広い地域に分布している。
世界に約60種あるといわれている。
葉は互生し、単葉で全縁か切れ込みをもち、花は腋生で漏斗型で、
先は5裂して各裂片に条線模様があることなど、
総じて形質はイポメア [ Ipomoea
] に似るが、子房が3室に分かれて6胚珠をもつこと、
すなわち一つの蒴果に6個の種子ができる点でイポメア
(2または4室で4胚珠)と区別される。
また、ヒルガオ属 [ Calystegia
] の植物とは、小形の方が花柄のなかほどに萼と離れてつくことと、
柱頭は分裂しないか分裂しても裂片は円いことなどで区別されている。
(ヒルガオ属では、苞は大形で萼を包むようにしてつき、
頭注は2分裂してその裂片は平たい。)
また、ヒルガオ属の近縁のセイヨウヒルガオ属 [
Convolvulus ]
の植物は、2分裂した柱頭の裂片が糸状である点で区別される。
イポメア、ヒルガオ属、セイヨウヒルガオ属の代表的な植物は、
サツマイモ 、
ヒルガオ 、
コンボルブルス・クネオルム である。
主なアサガオの種類は次のようなものがある。(
PharbitisをP.で表す)
P. congesta(P.コンゲスタ)
和名: ノアサガオ
日本では伊豆七島・紀伊半島・四国・九州に自生。
P. hederacea(P.ヘデラケア)
和名:アメリカアサガオ 熱帯アメリカ原産。明治時代に日本に導入。
P. purpurea(P.プルプレア)
和名:マルバアサガオ 熱帯アメリカ原産。明治時代に日本に導入。
[ 引用 : 園芸植物大事典 (塚本洋太郎総監修:小学館発行)、
花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]
本属の仲間は、ノアサガオの他に
オーシャン・ブルー を掲載している。