イヌタデは、日本、中国、東南アジアの照葉樹林帯の農耕地を中心に広く分布している。
日本へは農耕文化に伴って渡来したと思われる。
茎は直立ないし斜上し、著しく分枝を繰り返す。
花穂は茎先に多数つく。
種子を包む淡紅色の花被を赤飯に見立てて子供達がままごと遊びに用いた。
そのため、アカノマンマ(赤の飯)という別名がある。
タデ属は、世界に約300種が知られ、広く分布するが、北半球に多い。
多くは草本であるが、しばしばつる性のものや、
まれに半低木のものもある。葉は互生し、托葉は膜質鞘状となって茎を包む。
花は穂状または円錐花序につくか、総状または束生して頭状となることもあり、
ふつう小花柄には関節がある。
花被片は4~5個が1輪に並び、白または紅色に色づくことが多く、
基部でわずかに合生して、すべてが同じ大きさであるか、
ときにはその3裂片の背面が翼状にのびて果時に大きくなることがある。
雄しべは5~8個である。子房は上位で、1室で1個の倒生胚珠がる。
花柱は頭状のことが多いが、まれに細裂するものもある。
果実は小さく、3稜形またはレンズ状で種子のように見える堅果で、
ふつう光沢があり、裂開せず熟しても花被に包まれている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
クロンキスト体系では、タデ属は、イタドリ属、ミズヒキ属、ミチヤナギ属、
ツルドクダミ属、イブキトラノオ属、オンタデ属、サナエタデ属、
オオケタデ属、ソバカズラ属に細分されることがあるが、
ここでは私の図鑑に基づきすべてタデ属一本とした。
本属の仲間は、
アイ 、
イシミカワ 、
シロバナサクラタデ 、
ナツユキカズラ 、
ヒメツルソバ 、
ミゾソバ 、
ミズヒキ 、
ポリゴヌム・ファイアー・テイル
などを掲載している。
【追記】
イヌタデの学名の異名は、
Persicaria longiseta
(ペルシカリア・ロンギセタ)であり、その場合はペルシカリア属
(和名属:イヌタデ属)のサナエタデ節に分類されている。
タデ属は、APG では、
細分化されているようであるが、クロンキスト体系での前述した9分類と、
APG 体系での分類が確定できないため、
今後の課題として現状のままたした。