ヒメツルソバは、ヒマラヤ原産のほふく性小形多年草で、
マット状に広がる。
葉は小さな楕円形で、表面中央に褐色のV字形模様がある。
花は淡桃色で、球状の頭状花序につき、5~8月に開花する。
(と一般には言われているが、
暖地の陽だまりでは11月上旬でも咲いている。(二枚目(左)参照))
耐寒性はやや弱いが、高温や乾燥に強いため雑草化する。
鉢物として販売されることが多い。
タデ属は、世界に約300種が知られ、広く分布するが、北半球に多い。
多くは草本であるが、しばしばつる性のものや、まれに半低木のものもある。
葉は互生し、托葉は膜質鞘状となって茎を包む。
花は穂状または円錐花序につくか、
総状または束生して頭状となることもあり、ふつう小花柄には関節がある。
花被片は4~5個が1輪に並び、白または紅色に色づくことが多く、
基部でわずかに合生して、すべてが同じ大きさであるか、
ときにはその3裂片の背面が翼状にのびて果時に大きくなることがある。
雄しべは5~8個である。子房は上位で、1室で1個の倒生胚珠がる。
花柱は頭状のことが多いが、まれに細裂するものもある。
果実は小さく、3稜形またはレンズ状で種子のように見える堅果で、
ふつう光沢があり、裂開せず熟しても花被に包まれている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
クロンキスト体系では、タデ属は、イタドリ属、ミズヒキ属、
ミチヤナギ属、ツルドクダミ属、イブキトラノオ属、オンタデ属、
サナエタデ属、
オオケタデ属、ソバカズラ属に細分されることがあるが、
ここでは私の図鑑に基づきすべてタデ属一本にした。
本属の仲間は、
アイ 、
イヌタデ 、
イシミカワ 、
シロバナサクラタデ 、
ナツユキカズラ 、
ミゾソバ 、
ミズヒキ 、
ポリゴヌム・ファイアー・テイル などを掲載している。
【追記】
ヒメツルソバの学名の異名は、
Persicaria capitata(ペルシカリア・カピタタ)であり、
その場合はペルシカリア属(和名属:イヌタデ属)のタニソバ節に分類されている。
タデ属は、APG では、
細分化されているようであるが、クロンキスト体系での前述した9分類と、
APG 体系での分類が確定できないため、
今後の課題として現状のままたした。