ウシノヒタイ(牛の額)
タ デ
ポリゴヌム( タ デ )
Polygonum thunbergii
ポリゴヌム・ツンベルギー
( Null )
日本各地、朝鮮半島、中国に分布
多年草
ミゾソバは、日本各地、朝鮮半島、中国に分布する多年草である。
日本では北海道から九州の川辺、溝の縁などに生えている。
和名は、溝などに生え、葉や花がソバに似ているためついた。
草丈は30~80㎝である。茎や葉に下向きの刺が多く、
ざらざらして物にひっかかりやすい。ややつる状に茂る。
葉は互生し、卵状ほこ形で表面に八の字形の斑紋が入る。
葉鞘は長さ5~8㎜で筒状で縁に短毛がある。
花は枝先に球状の花序が多数つく。花径は6㎜くらいである。萼裂片は5個である。
萼裂片の先端が紅色で、基部は白色であり、離れて見ると綺麗なピンク色に見える。
タデの仲間は、花弁状に見えるのは萼裂片で、花後これが実を包んだまま大きくなる。
開花時期は、7~10月である。
画像(右上)は、野の調べさんが、「ミゾソバ」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 森の散策Ⅱです。コンペイトウのような形のこの花は、
10から数個集まって付き、1度に咲かず順々に咲いて、
子孫を残すための工夫、そして、蕾や咲き終わった花もピンク色をして、
昆虫を呼ぶ工夫としているらしいです。
和名は、溝のような湿った場所に生え、
花や姿が蕎麦に似ているところからですが、別名:ウシノヒタイ、
葉の形が牛のヒタイに似ているからとからしいです、葉の形が面白いですね。』
タデ属は、世界に約300種が知られ、広く分布するが、北半球に多い。
多くは草本であるが、しばしばつる性のものや、まれに半低木のものもある。
葉は互生し、托葉は膜質鞘状となって茎を包む。
花は穂状または円錐花序につくか、総状または束生して頭状となることもあり、
ふつう小花柄には関節がある。
花被片は4~5個が1輪に並び、白または紅色に色づくことが多く、
基部でわずかに合生して、すべてが同じ大きさであるか、
ときにはその3裂片の背面が翼状にのびて果時に大きくなることがある。
雄しべは5~8個である。子房は上位で、1室で1個の倒生胚珠がる。
花柱は頭状のことが多いが、まれに細裂するものもある。
果実は小さく、3稜形またはレンズ状で種子のように見える堅果で、
ふつう光沢があり、裂開せず熟しても花被に包まれている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
クロンキスト体系では、タデ属は、イタドリ属、ミズヒキ属、
ミチヤナギ属、ツルドクダミ属、イブキトラノオ属、オンタデ属、
サナエタデ属、
オオケタデ属、ソバカズラ属に細分されることがあるが、
ここでは私の図鑑に基づきすべてタデ属一本にした。
本属の仲間は、
アイ 、
イヌタデ 、
イシミカワ 、
シロバナサクラタデ 、
ヒメツルソバ 、
ミズヒキ 、
ナツユキカズラ 、
ポリゴヌム・ファイアー・テイル などを掲載している。
【追記】
ミゾソバの学名の異名は、
Persicaria thunbergii(ペルシカリア・ツンベルギー)
であり、その場合はペルシカリア属(和名属:
イヌタデ属)
のサナエタデ節に分類されている。
タデ属は、APG では、
細分化されているようであるが、クロンキスト体系での前述した9分類と、
APG 体系での分類が確定できないため、
今後の課題として現状のままたした。