ミヤマレンゲ(深山蓮華)
モクレン
マグノリア(モクレン)
Magnolia sieboldii ssp. japonica
マグノリア・シーボルディー(亜種)ヤポニカ
( Null )
日本、中国中南部に分布
落葉高木
オオヤマレンゲは、日本では北は谷川連峰 (群馬県と新潟県を境とする山脈)から 南は屋久島にかけて山地に自生している。
花は白色のカップ形で長い花柄を持ち、
初夏に葉が展開してからうつむきかげんに咲く。
花径は8~10㎝と大きく、花弁は6枚である。
雄しべは鮮やかな淡紅色を帯びる。
本種は、オオバオオヤマレンゲ(マグノリア・シーボルディー)の亜種であり、
ヤポニカとなっているところから日本で発見されたものと考えられる。
マグノリア・シーボルディーの「シーボルディー」は、
長崎のオランダ商館に医師として来日し、
日本の動植物を研究したドイツ人の「シーボルト」に由来する。
本種は、花がやや下向きに咲くが、同属に上向きに咲く
「
ウケザキオオヤマレンゲ (受咲大山蓮華)」という樹木がある。
私が非常に気に入っている樹木である。
同属の仲間は、
コブシ 、
シデコブシ 、
シモクレン 、
ハクモクレン 、
タイサンボク 、
ホウノキ など、
綺麗で見ごたえがあり、私が大好きな樹木を掲載している。
三枚目は、 Junko さんが、私に送ってくれた貴重で珍しい実である。
モクレン属は約90種からなり、太平洋をはさんでアジア大陸と
アメリカ大陸に隔離分布し、アジア大陸に多い。
アジアでは、ヒマラヤ、東南アジア、マレーシア、東アジアに、
アメリカでは北アメリカ東・東南部、中央アメリカ、南アメリカ北部に
分布し、ほとんどの種が山地生である。
また全種数のうち大半は熱帯・亜熱帯産で、
残る温帯性のものが広く栽培されているが、高木性のものが多いので、
どちらかというと広い庭や公園向きである。
常緑性または落葉性で、高木あるいは低木である。
葉は単葉で薄質または厚質で、全縁で有柄で互生するが、
ときに枝端に集まって輪生状を呈する。
早落性の托葉は膜質で幼葉を包み込み、
あるいは厚く長毛をともなって冬芽や蕾を包むので、
小枝や花柄の周囲を取り巻く
脱落痕が見られる。
花は大形で両性で1個が頂生し、芳香のあるものが多く、
葉に先立って開花するものと、葉と同時および葉の開花後に
開花するものとがある。
萼弁は3個で、花弁は6~12枚(まれに多数)で、
花色は白、ピンク、紫、黄色などである。
しばしば萼片は花弁状を呈し、花弁と区別しにくいことがあるが、
花弁が花軸にらせん配列するのに対して敷石状に基部を接して
輪生するので、両者の違いが明らかである。
雄しべはへら形で、葯のつく位置が花軸側のものと、
花軸に対して横向きのものとがある。
雌しべは2胚珠を含む1心皮からなり、
心皮縁の一端が嘴(くちばし)状にのびて側面に柱頭をもつ。
ときに短い雌ずい柄をもつことがある。
雄しべ雌しべとも多数あり、いずれも長い花軸にらせん状に配列する。
果実は革質または木質の袋果で、
楕円体~紡錘体の集合果を形成する。しばしば集合果はねじれる。
袋果は背面で裂開し、赤色肉質の外種皮と黒色硬質の内種皮をもつ種子が、
白い糸状組織でぶら下がる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]