モクレン
マグノリア(モクレン)
Magnolia praecocissima
マグノリア・プラエコキッシマ
Northern Japanese magnolia
日本と済州島に自生
落葉高木
コブシは、ハクモクレン亜属、コブシ節で、 日本と済州島に自生する落葉高木で、 枝が直上する傾向がある。 一般に庭木や緑化用樹とされている。 栽植されたものもかなり高く成長する。
早春に葉に先立って樹冠一面に
白色の花を咲かせたときの景観はみごとである。
花は白色で、花径約10㎝でふつう花柄に
1個の若葉をつけている。花弁は6枚あり、
幅約2~2.5㎝で、基部が淡紅紫色に着色する場合もある。
たいへん丈夫で、寒さにも強いので、
寒地の花木として貴重である。
1879年にヨーロッパに導入されて以来、
アメリカ東北部などで盛んに利用されるようになった。
本属は、花木として有名な、
シモクレン 、
ハクモクレン 、
シデコブシ 、
ホオノキ など(落葉性)や 、
タイサンボク 、
オオヤマレンゲ 、
ウケザキオオヤマレンゲ など(常緑性)があるが、
どれも私の好きな花木を掲載している。
モクレン属は約90種からなり、
太平洋をはさんでアジア大陸とアメリカ大陸に隔離分布し、
アジア大陸に多い。
アジアでは、ヒマラヤ、東南アジア、マレーシア、
東アジアに、アメリカでは北アメリカ東・東南部、中央アメリカ、
南アメリカ北部に分布し、ほとんどの種が山地生である。
また全種数のうち大半は熱帯・亜熱帯産で、
残る温帯性のものが広く栽培されているが、高木性のものが多いので、
どちらかというと広い庭や公園向きである。
常緑性または落葉性で、高木あるいは低木である。
葉は単葉で薄質または厚質で、全縁で有柄で互生するが、
ときに枝端に集まって輪生状を呈する。
早落性の托葉は膜質で幼葉を包み込み、
あるいは厚く長毛をともなって冬芽や蕾を包むので、
小枝や花柄の周囲を取り巻く脱落痕が見られる。
花は大形で両性で1個が頂生し、芳香のあるものが多く、
葉に先立って開花するものと、
葉と同時および葉の開花後に開花するものとがある。
萼弁は3個で、花弁は6~12枚(まれに多数)で、
花色は白、ピンク、紫、黄色などである。
しばしば萼片は花弁状を呈し、花弁と区別しにくいことがあるが、
花弁が花軸にらせん配列するのに対して
敷石状に基部を接して輪生するので、両者の違いが明らかである。
雄しべはへら形で、葯のつく位置が花軸側のものと、
花軸に対して横向きのものとがある。
雌しべは2胚珠を含む1心皮からなり、
心皮縁の一端が嘴(くちばし)状にのびて側面に柱頭をもつ。
ときに短い雌ずい柄をもつことがある。雄しべ雌しべとも多数あり、
いずれも長い花軸にらせん状に配列する。
果実は革質または木質の袋果で、楕円体~紡錘体の集合果を形成する。
しばしば集合果はねじれる。
袋果は背面で裂開し、赤色肉質の外種皮と黒色硬質の内種皮をもつ種子が、
白い糸状組織でぶら下がる。