ハクモクレンは、中国原産といわれているが、
野生種は数少ないといわれている。
唐時代の絵画にも出てくるので、栽培の歴史が非常に古いことがわかる。
日本へも早く渡来し、主として寺院の庭園などに植えられてきた。
高さ15m以上になる落葉高木である。若木のうちは枝が直立性であるが、
老木になるにつれて横開性になる。
樹皮は灰白色である。葉は倒卵形で長さ8~15㎝である。
花は葉に先立って咲き、香りがあり、完全に開くと径15㎝にもなる。
萼片は花弁とほぼ同大である。花弁は6枚あり、乳白色で広く開出する。
栽培の歴史が古いだけに各地に古木、大木がある。
春の新芽の萌芽前にやや乳黄色を帯びた白花が
いっせいに開いたところは壮観である。
三枚目(左)は、野の調べさんが、「ハクモクレン」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 4月の陽気だったり、春一番が吹いたり、今日は冬に
逆戻り、寒い一日で目まぐるしい春に戸惑います。さて、
ハクモクレンの花がうららかな日差しに映えています。』
同属の仲間は、
シモクレン 、
オオヤマレンゲ 、
ウケザキオオヤマレンゲ 、
タイサンボク 、
コブシ 、
シデコブシ 、
ホウノキ など、
とても美しく見ごたえのある花木を多く掲載している。
四枚目(左)も、野の調べさんが、「春の気配」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 今日は雨も上がり、陽が射してきましたので近所を
散歩してみました。ハクモクレンの蕾に出合いました。
ハクモクレンの蕾は綿毛のようなもので覆われ、
春を待ちわびているかのようです。
もう植物の芽は春に向って動いています。』
五枚目(左)は、 Junko
さんが、「モクレンとミモザ」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 駅へ行く途中、白もくれんを撮りました。
色のついたほう は訪ねた家に飾ってありました。
その日はもくれんと
ミモザ を頂いて来て今
我が家の玄関で咲いています。一気に春が来ました。
でも明日は雨。サクラはまだ2分咲きといったところ。』
モクレン属は約90種からなり、太平洋をはさんでアジア大陸と
アメリカ大陸に隔離分布し、アジア大陸に多い。
アジアでは、ヒマラヤ、東南アジア、マレーシア、東アジアに、
アメリカでは北アメリカ東・東南部、中央アメリカ、
南アメリカ北部に分布し、ほとんどの種が山地生である。
また全種数のうち大半は熱帯・亜熱帯産で、
残る温帯性のものが広く栽培されているが、
高木性のものが多いので、どちらかというと広い庭や公園向きである。
常緑性または落葉性で、高木あるいは低木である。
葉は単葉で薄質または厚質で、全縁で有柄で互生するが、
ときに枝端に集まって輪生状を呈する。
早落性の托葉は膜質で幼葉を包み込み、
あるいは厚く長毛をともなって冬芽や蕾を包むので、
小枝や花柄の周囲を取り巻く脱落痕が見られる。
花は大形で両性で1個が頂生し、芳香のあるものが多く、
葉に先立って開花するものと、
葉と同時および葉の開花後に開花するものとがある。
萼弁は3個で、花弁は6~12枚(まれに多数)で、
花色は白、ピンク、紫、黄色などである。
しばしば萼片は花弁状を呈し、花弁と区別しにくいことがあるが、
花弁が花軸にらせん配列するのに対して敷石状に基部を接して
輪生するので、両者の違いが明らかである。
雄しべはへら形で、葯のつく位置が花軸側のものと、
花軸に対して横向きのものとがある。
雌しべは2胚珠を含む1心皮からなり、心皮縁の一端が嘴
(くちばし)状にのびて側面に柱頭をもつ。
ときに短い雌ずい柄をもつことがある。雄しべ雌しべとも多数あり、
いずれも長い花軸にらせん状に配列する。
果実は革質または木質の袋果で、楕円体~紡錘体の集合果を形成する。
しばしば集合果はねじれる。
袋果は背面で裂開し、赤色肉質の外種皮と黒色硬質の内種皮をもつ種子が、
白い糸状組織でぶら下がる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]