バーベナ
クマツヅラ
ウェルベナ(クマツヅラ)
Verbena × hybrida
ウェルベナ・ヒブリダ(交雑)
Florist's verbena , Garden verbena
交雑種の園芸品種の総称
多年草、園芸上は一年草
バーベナは、交雑種の園芸品種の総称で、
全株に灰色の毛がある多年草であるが、園芸上は一年草である。
本種の成立には、
アルゼンチンとブラジル南部原産で緋赤色または深紅色の花をつける
V. peruviana 、
ブラジルからウルグアイに原産し紫紅色または藤紫色の花をつける
V. phlogiflora 、
ペルー、チリ、ブラジル南部原産で、白、黄白色あるいはピンクの
花をつけ、夜間に芳香を放つ
V. platensis 、
南アメリカ南部原産で、緋赤色の花をつける
V. incisa 、
の4種が関与しているといわれている。
(注: Verbena
を V. で表す。)
本種の茎ははうが先は立ちあがる。草丈は30~60㎝で、
株ばり60~80㎝になる。
葉は長楕円形または卵状長楕円形で長さ5~10㎝で、
葉縁には歯牙がある。
穂状花序は散房状に集まって、20~30花をつけるが、
後に5~8㎝に伸びる。
花色は豊富で緋赤、桃、紫、青、藤色、帯黄、白などがある。
四季咲き性で春から秋の霜が降るまで休まず咲き続ける。
半耐寒性で関東以南の暖地では簡単な霜よけで越冬する。
花壇用によいほふく性や半ほふく性品種、切り花にもよい直立性品種、
鉢やプランターにむく矮性品種など多くの園芸品種が
育成されている。
本種の園芸品種に、サントリフラワーが開発した
ハナテマリ がある。
クマツヅラ属は、おもに南北アメリカの熱帯から亜熱帯に産するが、
一部はヨーロッパ、アジアにも分布し、
日本にもクマツヅラ1種が自生している。約200種を含む。
一年草または多年草で、一部は基部が木質化する亜低木である。
園芸的に利用されるのは15~16種で多年草が多い。
ふつうは有毛で、茎はしばしば4稜形となり、直立するかほふくする。
葉は対生し、まれに輪生または互生し、葉縁には歯牙があり、
ときに分裂または全裂し、まれに全縁となる。
花はふつう頂生まれに腋生し、穂状花序を単立させるが、
ときに散房状あるいは広円錐状に穂状花序を集める。
ふつう苞があり、萼は5個の歯牙と隆条をもつ。
花冠は高盆状または漏斗状で5裂するがわずかに2唇状となる。
雄しべは4個でまれに2個で、果実は乾果で宿存萼に包まれ、
成熟すると4個の小堅果となる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本属の仲間は、ハナテマリ以外に
バーベナ・ミータン 、
バーベナ・テヌイセクタ 、
タピアン 、
アレチハナガサ 、
ヤナギハナガサ などを掲載している。