NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名ハナカツミ(花勝見)
園芸(流通)名
別名ノハナショウブ(野花菖蒲)
科アヤメ
属(和名属)イリス(アヤメ)
学名Iris ensata var. spontanea
ラテン語読みイリス・エンサタ(変種)スポンタネア
英名Japanese water iris
原産・分布地日本、朝鮮半島、中国東北部、
原産・分布地シベリア東部に分布
園芸上分類多年草

 ハナカツミは、幻の花とよばれている。
 ハナカツミがどんな植物かは諸説があるが、 管理をしている愛知県阿久比町によれば、 ノハナショウブ(野花菖蒲)のことを指し、 アヤメ科の多年草で6月中旬に鮮やかな紫色の花を咲かせると説明している。

 ハナカツミは、今から500年ほど前の平安時代に伯耆(ほうき) の国(今の鳥取県西部)から草木(愛知県阿久比町) の下芳池に移植されたと伝えられている。
 永禄3年(1560年)、桶狭間の合戦に際し徳川家康の武運長久を願い、 家康の生母お大の方が坂部城でこの「花かつみ」を「勝つ」 という言葉に心をこめて仏前に捧げたという伝説が残っている。
 嘉永(1848~1854年)の頃には尾張14代藩主徳川慶勝に切花として献上され、 門外不出の「お止め花」になったと伝えられている。
 大正初期のの頃、 草木の俳人竹内要七が広島県呉市から調査官をまねき調査させたことから、 幻の花と言われだしたため盗掘され、とうとう絶滅してしまったといわれている。
 昭和になって草木の俳人で植物愛好家の竹内丁子が、 まだどこかに花かつみがあるのではと探し歩き、 執念実って遂に自生の一株を発見した。その後、 地元の篤志家によって密やかに保護されてきた。
 町では、人々に忘れ去られようとしている幻の花「花かつみ」 を少しでも知ってもらおうと「花かつみ物語」を発刊した。
 昭和62年には「花かつみ保存会」が組織され、 会員の自宅に移植して株分けし、増やしてきた。
 同年に、下芳池周辺の工業団地造成に伴い、池の北側に「花かつみ園」 が設置され、現在は約2500株の「花かつみ」が咲き誇っている。
 また、平成2年6月に「花かつみ」の由来を後世に伝えようと 記念碑とシンボル塔が建てられた。(三・四枚目(左・左下)参照)
 以上、愛知県阿久比町教育委員会のパンフレットからの転記である。

 ハナカツミがノハナショウブのことを指すとなっているため、 以下はノハナショウブの説明である。
 ノハナショウブは、日本、朝鮮半島、中国東北部、 シベリア東部に分布する多年草である。
 山野の草原や湿地に生える。地下茎は分枝し、横に這い、 褐色の多くの繊維に包まれる。葉は扁平な線形で  全 縁  で、直立して高さ30~60㎝になり、  中 肋  は太くて目立つ。
 花茎は直立して高さ40~100㎝で、2~3個の苞をつけ、 ときにわずかに分枝する。開花時期は、6~7月である。 苞から小花柄を伸ばして赤紫色の花を順に咲かせる。
 花被は径約10㎝である。
 外花被片は楕円形で下垂し、幅3~4㎝で、 縁がシャガのように切れ込むことなく、中央基部が黄色を帯びる。
 内花被片は狭長楕円形で花の中央に直立し、長さ約4㎝である。

 花柱は3分枝し、分枝の先が2裂して、裂片はほぼ全縁である。
 雄しべは3個だが、それぞれの花柱分枝の下側に位置し、 外からは見えない。葯は黄色である。
 果実は楕円形の蒴果で、長さ2.5~3㎝である。
[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]

 学名について、阿久比町のパンフレットでは、 Iris kaempferi (イリス・カエムプフェリ) となっているが、私の図鑑では、
Iris kaempferi は異名となっているため、 図鑑に基づき  Iris ensata  を採用した。

 本属の仲間は、  アヤメ 、  エヒメアヤメ 、  カキツバタ 、  カンザキアヤメ 、  キショウブ 、  ハナショウブ 、
 シャガ 、  ダッチ・アイリス 、  ジャーマン・アイリス  などを掲載している。

1~4枚目画像撮影日(場所):2004.06.12 (花かつみ園[愛知県阿久比町]

2015.07.31 First making day [6h/61ha/239200]
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