アーモンドは、バラ科サクラ属の1種でモモ、
スモモなどにきわめて近縁である。
核内にある種子(仁)の子葉を食料とするため
果樹園芸学では殻果類(ナッツ)としてあつかわれている。
現在栽培されているアーモンドは、
ソ連のトゥルケスタン地方に自生している
Prunus bucharica 、
アルメニア東部の乾燥した山地に自生している
Prunus fenzliana 、
パミール地方、乾燥山岳地帯に自生する
Prunus ulmifolia
を基本種として発達してきたと考えられている。
上記の学名は、そのような栽培種に与えられたものであり、
栽培種の正確な発祥地は明らかでないが、
中央アジアから南西アジア一帯といわれており、
紀元前にこれらの地域から西に向かって広がったと考えられている。
現在も野生種が、地中海沿岸東部や黒海沿岸に多く見られる。
アーモンドは落葉性高木で、高さ6~9mになる。
形態学的に見たアーモンドの果実は、可食部の種子、内果皮、
中外果皮から構成されている。
中外果皮は薄く、成熟期が近づくと自然に乾燥し裂開する。
花は完全花で、1個の雌しべ内に2個の胚珠を有し、
10~20個の雄しべと5個の淡紅色または白色の花弁からなり、
径4㎝くらいの大輪で、展葉に先立って開花する。
花芽はおもに短果枝に形成されるが、
中果枝、長果枝にも形成される。
葉は披針形で、鋸歯があり、表面はモモより光沢がある。
果実が成熟するまで6~8ヶ月を要する。
開花後約60~70日で果実はほぼ成果の大きさとなる。
この時期以降、食用となる胚(子葉)が急速に発達し始め、
30~40日でその外的成長を終える。
その後は子葉内に脂肪、タンパク質、炭水化物をしだいに蓄積する。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
なお、サクラ属については
サクラ
を参照のこと。
本属の仲間は、非常にたくさんあり、
アンズ 、
サクラ 、
サクラの品種および園芸品種 、
ウ メ 、
ウメの園芸(栽培)品種 、
シダレウメ 、
ニワウメ 、
モモ 、
ハナモモ 、
ハナモモ・ゲンペイシダレ 、
ハナモモ・テルテシロ 、
ハナモモ・テルテベニ
などを掲載している。