









オオデマリは、花がすべて中性の装飾花となった栽培品種である。 花序がアジサイのように手毬状になる。
いつ頃から園芸品種として栽培されたか明らかでないが、
1694年の書籍にはその記載がある。
オオデマリは、 Viburnum plicatum
(ウィブルヌム・プリカツム)とする決めと、
Viburnum plicatum var. plicatum
(ウィブルヌム・プリカツム(変種)プリカツム)とする決めがあるが、
オオデマリの説明としてより合っている後述を採用した。
「オオデマリ(大手毬)」に対し、「
コデマリ
(小手毬)」という花があるが、オオデマリはスイカズラ科カマズミ属で、
コデマリはバラ科シモツケ属であり、まったく異なった仲間である。
ガマズミ属は、北半球の温帯、暖帯に広く分布し、
東南アジアや南アフリカの高地にもあり、
とくに東アジアと北アフリカに多い。
約120種が分布し、そのうち日本には約30種があり、
中国大陸に多く40種あまりを数える。
落葉または常緑の低木ないし小高木で、葉は対生する。
花は円錐ないし散房状花序につき、
大形で中性の装飾花をもつものがある。
花は通常白色で、ときに桃色で芳香を放つ種もある。
萼は5歯をもち、花冠は車状、筒状などで5裂する。
雄しべは5個で、雌しべの柱頭は3裂し、子房は下位で1室をもつ。