ヒガンバナ
リコリス(ヒガンバナ)
Lycoris albiflora
リコリス・アルビフロラ
White spider lily
九州に自生(中国から渡来)
多年草
シロバナマンジュシャゲは、九州に自生するが、たぶん中国渡来のものと考えられている。
シロバナマンジュシャゲは、ヒガンバナの稔性種(下記注参照) [
L. radiata var. pumila(L.ラディアタ(変種)プミラ) ]
とショウキズイセンとの交雑種とされている。
ヒガンバナと性状は類似するが、花色が白色である。
9月上旬に開花し、開花後に出葉する。
ふつうは不稔であるが、まれに結実する。
注:稔性種とは、一般に植物は花をつけ有性生殖を行う。花粉が雌しべの
柱頭上につくと花粉管が伸び、やがて受精して結実して種子を作り
子孫を残す。このように種子ができる性質をもつ植物を稔性種という。
咲き始めは花被片に桃色の筋が入ったり、淡黄やピンクの色が混ざったものなどの変異が多くて学名に混乱があり、
アメリカのトラウブ博士( H. P. Traub )は白くなる種を統一して
L. elsiae (L.エルシアエ)、桃色を残すものを
L. houdyshelii (L.ホウディセリー)とよんでいる。
三枚目(左)は、花被片に桃色の筋が入ったものである。
また、ここに掲載した画像は、花被片が真っ白ではなく、淡黄色のものである。
本属の仲間は、
ヒガンバナ 、
ナツズイセン 、
ショウキズイセン 、
キツネノカミソリ 、
タヌキノカミソリ、
リコリス・スプレンゲリ などを掲載している。
四枚目(左)は、 Junko さんが、
「葉鶏頭です」のタイトルで、次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 写真は「 葉鶏頭 」目の覚めるような色に思わず
携帯で。白い「彼岸花」とついでに黄色も。
これは須磨離宮で。』
ということで、送ってくれた黄色の植物は、
ショウキズイセン であった。
リコリス属は、地下部の鱗茎から、花茎と線状または帯状の扁平な葉を根出させる。
初夏に葉が枯れ、晩夏・早秋の候にまず花茎が地上に出現する。
葉の出現は開花と同時または直後の秋期出葉型と、翌年の早春になる春期出葉型とに分かれる。
花茎は中空の円筒状で頂端に数個の小さな花を散形花序につける。
各花の花被片は6個で、基部は合着して漏斗状である。雄しべはは6個で雌しべは花被と同じ長さかそれ以上ある。
果実は蒴果で、種子は黒褐色である。
鱗茎には良質のデンプンを含有するが、去痰、催吐薬となるリコリンや
小児麻痺後遺症の治療薬であるガランタミンなど多くのアルカロイドがあり有毒である。