アオイ
ヒビスクス(フヨウ)
Hibiscus mutabilis
ヒビスクス・ムタビリス
Confederate rose , Cotton rose
四国、九州南部、琉球諸島、
中国、済州島に分布
常緑低木
フヨウは、四国、九州南部、琉球諸島、中国、
済州島に分布する常緑低木で、高さ2~5mに達し、
分枝して円頭の樹冠を形成する。
葉は長い葉柄があり、長さ10~15㎝で5~7裂して掌状をなし、
葉縁にわずかに鋸歯があるほか、密に星状毛および単毛をもち、
基部が心臓形である。
花は腋に単生する。花柄は長さ3~8㎝で、
小苞片は8~12個で合着せず、線状披針形で長さ10~25㎜、
幅1~2㎜でときに3.5㎜ある。
萼は長さ20~35㎜で筒部より裂片のほうが長い。
花弁は長さ5~8㎝で白からピンクまで、濃淡があり、
朝は白く、夕方にはいくらか濃くなる。
果実は球形で、径2~2.5㎝くらいあり、多数の種子を含む。
種子は長さ2㎜くらいでやや長い綿毛がある。
フヨウ属は、世界各地の熱帯、亜熱帯を中心に、
一部温帯を含んで分布し、約250種がある。
観賞用のほか、食用、繊維用などに約50種が栽培される。
高木、低木および草本などさまざまである。
葉は互生し、多くは掌状に分裂し鋸歯縁まれに全縁である。
花は両性花で、葉腋に単生するが、ときに総状、
円錐あるいは散房花序をなす。
花弁は白、桃、紅、黄色などがあり、花の下に小苞をもち、
その形態、苞片の数などは、分類学上重要な目安となる。
萼は筒状、杯状で歯牙縁もしくは5深裂する。
花弁は5枚である。雄しべは多数で筒状に合着し、
その中から花柱が突き出す。
花柱は先が5枝に分かれ、先端が頭状となる。
果実は蒴果で、5室に分かれ開裂して種子を出す。
種子は小形で有毛または無毛で心臓形、三角形、
球状などさまざまである。
本属の園芸品種が多数作り出されたのは、
ハワイにおいてで、もっとも古い記録は、
1902年にギフォード氏によって自生種同士の交雑で4品種が作り出され、
次いで1909年以来濃業試験場で本格的な交配が行われるようになり、
ブッソウゲも導入されて交雑され、5年間に1000にのぼる園芸品種が生まれた。
その後は、交配種同士の交雑が繰り返されて現在にいたっている。