ハナイチゲ(花一華)、
ベニバナオキナグサ(紅花翁草)
キンポウゲ
アネモネ(イチリンソウ)
Anemone coronaria
アネモネ・コロナリア
Windflower
地中海沿岸原産
多年草
本種は、地中海沿岸原産で、通常「アネモネ」とよばれ、
秋植え球根として切り花、花壇、鉢物に広く栽培されている。
地下に分岐性の褐色の塊茎があり、高さ25~40㎝の多年草で、
根出葉は3裂または掌状深裂もしくは中裂し、
各裂片は細裂して最終裂片は線形をなして微突頭となる。
花茎は塊茎から伸び上がり、1花を頂生する。
花部より離れて総苞葉を輪生状につける。
萼片は6~8個あり、赤、桃、紫、藍、白など各色がある。
雄しべは多数で、柱頭は黒紫色を呈する。
痩果は多数が集まって球形をなし、それぞれに1種子を生じる。
開花時期は、4~5月である。イギリスへは1596年に紹介され、
日本へは1930年(昭和5)に渡来した。
アネモネ属は主として北半球の温帯から亜寒帯にかけて約100種が分布し、
一部南アメリカおよび南アフリカのも分布が見られる。
日本にはイチリンソウなど12種が分布している。
そのほとんどは小形の多年草で、根茎または小形の塊茎がある。
根出葉には長い葉柄があり、葉身は掌状複葉で、小葉はさらに細かく裂ける。
茎葉は総苞で、ふつう3輪生する。花茎に1~数花をつけ、
萼片は大きく花弁状となり、5個ないし多数で、色は紫、紅、黄、白などがある。
花弁はない。雄しべは多数あり、心皮は離生して多数で痩果を結ぶ。
アネモネ属は、スハマソウ属やオキナグサ属に非常に近縁であるが、
オキナグサ属は花後に花柱が長く伸びて羽毛状となるのに対して、
アネモネ属やスハマソウ属では花柱は短く、
またスハマソウ属では総苞葉が花に接してつき萼状となるのに対して、
アネモネ属では花にへだたって葉状になるという違いがある。
アネモネは、ヨーロッパでは古くからよく知られている植物で、
聖書に出てくる「野のユリ」はアネモネのことであるといわれてる。
一般的にアネモネと言えば、アネモネ・コロナリアのことを指す。
本種は非常にたくさんの園芸品種が作られており、
花色も緋赤、深紅、青、藤、白など豊富で、一重、半八重、八重などの花形になる。
現在栽培されている園芸品種の多くは19世紀に作り出され、
その後系統別に新しい園芸品種がいくつか加えられている。
[ 引用 : 園芸植物大事典 (塚本洋太郎総監修:小学館発行)、
花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]
一枚目(右上)の花は、園芸品種の「ミスター・フォッカー」に似ているが定かでない。
本属の仲間は、
アズマイチゲ 、
キクザキイチゲ 、
ユキワリイチゲ 、
エゾノハクサンイチゲ 、
シュウメイギク 、
イチリンソウ 、
ニリンソウ 、
サンリンソウ
など、多くの仲間を掲載している。