サンショウバラは、富士・箱根の山地にのみ自生する
大形の落葉低木である。樹高は、5~6mにもなる。
枝は強くてやや稲妻形に曲がり、よく分枝する。
樹皮は、淡褐色で扁平な棘をつける。幼枝は灰白色である。
葉は9~19小葉からなり、小葉は幅の狭い長楕円形で鋭先頭である。
小葉の枚数が多く、サンショウの葉に似ているところから和名がつけられた。
花は、5月に新梢の先に単生する。
花弁は5枚で淡紅色である。花径は5~6㎝である。
ほかのバラと異なり、枝はシュート(新梢)
が発生しにくく木質化し、中木に生育する。
古い幹は樹皮がはがれ、白い幹肌が現れる。若木のうちは徒長枝が多いが、
年数とともに淡枝が増え、花つきが安定する。
果実は、扁球形で全面に棘があり、熟すと褐色になる。
庭木としてとくに日本庭園に向く。
[ 引用 : バラ大図鑑(NHK出版発行)&
園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )]
花フェスタ記念公園の名板にも記されているように、
本種はバラの原種のひとつで日本固有の品種である。
名板の学名は、
Rosa roxburghii hirtula となっているが、
ここでは私の図鑑に基づき
Rosa hirtula を採用した。
本属の仲間は、
ハマナス 、
シロバナハマナス 、
バラ 、
キモッコウバラ 、
ツクシイバラ 、
ノイバラ 、
ナニワイバラ 、
ロサ・ウィローサ
などを掲載している。
この仲間の中で、バラ、キモッコウバラ以外は、
今日の園芸バラの元となった品種ばかりである。