シロバナハマナスは、ハマナスの園芸品種で花色が白色の品種であるとともに、
白いバラの親種となった品種である。
なお、学名は、バラ大図鑑に基ずき、
[ Rosa rugosa cv. Albiflora ] から
[ Rosa rugosa cv. Alba ]
(ロサ・ルゴーサ(園芸品種)アルバ)に変更した。
本属の仲間は、
ハマナス 、
バラ 、
キモッコウバラ 、
ノイバラ 、
ツクシイバラ 、
ナニワイバラ 、
サンショウバラ 、
ロサ・ウィローサ
などを掲載している。
親種となったハマナスは、東アジアの温帯、亜寒帯に分布する落葉低木である。
日本では、本州の鳥取県以北と茨城県以北と北海道に、さらに千島、カムチャツカ、
サハリン、朝鮮半島以北などの海岸に自生している。よく分枝し、
枝は太くて細い刺と太く扁平な刺が混生する。葉の上面は無毛であるが、
下面や葉柄、若枝には短い軟毛が密生する。小葉は7~9個で、やや同形同大で、
長楕円形または倒卵形で鈍頭または円頭である。開花時期は、
6~8月ごろで比較的長く、径6~9㎝の濃桃色5弁花を枝頂に1~3個つける。
1輪から5輪の房になる。花もちは1~2日程度である。
果実は径約2㎝で球形で8~10月ごろ紅熟する。接ぎ木苗の深植えや、
実生苗、さし木苗はサッカーで広がるので注意が必要である。
サッカーは見つけしだい除去すること。接ぎ木苗は枝が伸び、
こんもりとした株になる。花柄を残せば大きな実がつくが、
平地では熟期が夏なので秋までもたない。耐暑性はやや弱い。
サッカーとは、地中の水平に伸びる根から生ずるシュートのことであり、
接ぎ木苗では、台木から発生することもある。吸枝ともいう。
ハマナスは、赤いバラの原種とされており、
1845年にツンベリーによってヨーロッパへ紹介された後に、
ティーローズなどの園芸バラの系統と交配されて、多くの園芸品種が作られた。
[ 引用 : バラ大図鑑(NHK出版発行)
& 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )]