ノリノキ(糊の木)、サビタ
アジサイ
ヒドランゲア(アジサイ)
Hydrangea paniculata
ヒドランゲア・パニクラタ
Panicled hydrangea
日本全国に分布
落葉低木
ノリウツギは、日本全国に広く分布する落葉低木である。
他の日本産アジサイ類とは、大きな円錐花序をもつことで区別できる。
ふつうは高さ2~3mで、若い枝は真っ直ぐよく伸び、暗紫色を帯びる。
葉は長さ5~15㎝で、楕円形または卵状楕円形で先は鋭形である。
装飾花は白色であるが、しだいに淡紅色または淡緑色に変わる。
ノリウツギの和名の起こりは、幹の内皮の粘液を和紙の糊料に用いたことによる。
材は白色でかたく、ようじ、つえ、かんじきなどに利用するが、
根材からつくるパイプは有名である。
別名の「サビタ」は東北および北海道地方の方言だそうである。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本種は、ウツギの名前がついていますが、
アジサイ の仲間である。
本属の仲間は、
コガクウツギ 、
ガクアジサイ 、
カシワバアジサイ 、
コアジサイ 、
ツルアジサイ 、
ヤクシマアジサイ 、
ヤマアジサイ
などを掲載している。
アジサイ属は、世界に四十数種あり、東アジア、
北アメリカ東南部~南アメリカ中部にいたる広い地域に分布している。
本属の植物は低木またはつる性で、有柄で托葉のない葉を対生(まれに3輪生)する。
花序は複集散状または密錘状で卵形または披針形の苞葉がある。
花は放射相称で、両性花のほかに捻性の低い装飾花を有する種が多い。
装飾花の花弁様の部分は萼片が変化したものである。
両性花の萼は子房と癒着した萼筒と萼裂片に分かれる。
花弁は小さく萼筒の上縁につき、一般に早落性の傾向がある。
子房は下位または中位で熟して蒴果となり
離生した花柱間で心皮の縫合線に沿って裂ける。
種子は小さく長さ1㎜前後である。
【追記】
アジサイ属は、新エングラー体系ではユキノシタ科(バラ目)
に入れられていたが、クロンキスト体系では、単独のアジサイ科
(バラ目)
としてユキノシタ科から分離された。
最近の APG の見解では、
ユキノシタ科とは縁遠いことが明らかになり、
ユキノシタ科が入っているバラ目からミズキ目に変更された。