タマネギは、ネギ属の1種で、鱗茎を野菜として利用する。
中央アジア山岳地帯原産の多年草であるが、
栽培上は一、二年草としてあつかっている。
古代エジプトで栽培され、壁画にもみられる。
ギリシア、ローマ時代には栽培品種が分化し、
「旧約聖書」にも記されている。しかし、
欧米一帯に広まったのは16~17世紀である。
中国での普及は新しいが現在の栽培は広い。
日本への渡来は幕末または明治初年で、
本格的な栽培は大正時代以降である。
北海道で最初に種子を導入し試作したのは1871年(明治4)で、
1882年(明治15)ごろには直播栽培が定着し、
北海道は当時全国一の産地になった。なお、
第2次世界大戦後は育苗して定植する方法に変わった。
大阪では1886年(明治19)ごろから栽培が始まり、
明治時代後半には北海道につぐ産地となった。
その後全国各地に普及し、昭和60年前後の全国作付面積は約3万ha、
収穫量は120万t前後で、導入後約100年の間に世界第5位の生産国になり、
市場収穫高ではダイコン、キャベツ、ハクサイにつぐ重要な野菜になった。
タマネギの葉身は中空の円筒状で、
先がとがり表面はろう物質でおおわれている。
葉鞘は円筒状で、長日、温暖条件で肥厚して鱗茎となり、
全体として球となる。
花茎は葉より長く、円筒状で中央部がふくらみ、
肉厚く頂部に花序をつける。
花は複散形花序につき、開花は小花序ごとに始まり、
全体が球状になる。花被が開くのでネギと区別できる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
ネギ属については、
アリウム を参照のこと。
本属の仲間は、非常にたくさんあり、
ペコロス 、
ネギ 、
アイヌネギ 、
チャイブ 、
シロウマアサツキ 、
ニンニク、
ニラ 、
ノビル 、
アリウム 、
ラッキョウ 、
イトラッキョウ 、
ヤマラッキョウ 、
ミヤマラッキョウ
などを掲載している。
【追記】
ネギ属は、APGⅢ
でユリ科から分離し、ヒガンバナ科のネギ亜科に変更になった。