ニンニクは、ネギ属の1種で、鱗茎を食用にする野菜である。
ニンニクは中央アジア原産と推定されているが、
栽培種しか知られていない。
鱗茎は4~10個の鱗片からなるが、鱗片内で分球(2次鱗片の形成を)
しやすい栽培品種では、2次鱗片を含めた数は十数個以上
(多いものでは30個以上)になる。葉は扁平で、4~6個ある。
花茎は高さ0.5~1mになり。多数の花を散形花序につける。
ただし、小花はロシア産の一部系統を除くと一般には不稔であり、
総苞内に珠芽を混生する。
ニンニクは西方・インド・熱帯アジアへは古代に伝わったようで、
すでに古代エジプト(紀元前3200年ごろ)で利用されていた。
中国ヘは漢の時代に伝わり、日本へは中国を経由して記紀・
万葉の時代に伝わったようであるが、確かな記述の見られるのは
「草本和名」(918年)が最初である。
ネギ属の植物は全体で400種近くあり、北半球に分布している。
地下茎をもつか鱗茎をつくり、線形、
円柱形または幅広い扁平な葉を根出する。
花は散形花序をつくって多数つき、花被片、雄しべは6個で、
子房は上位で3室からなり、ときに蜜腺をもつ。
花序ははじめ膜質の仏炎苞に包まれており、
この仏炎苞は花序が展開した後も存在する。
仏炎苞はふつう1~2個であるが、それ以上のこともある。
花が変わって珠芽(しゅが:下記参照)になることもある。
タマネギ、ネギ、ニンニクその他多くの種類の重要な野菜として
栽培されているが、観賞用に栽培されることも多く、切り花、
ロックガーデンなどに用いられる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
珠芽(しゅが)とは、主に葉の付け根、葉腋や、花序にできる芽の一種で、
茎が肥大して小さな芋状になった肉芽(にくが)と、
葉が肥厚になって小さな球根状になった鱗芽(りんが)がある。
地面に落ちると、そこから繁殖する種子のような役割を持つ。
零余子(むかご)ともいう。
本属の仲間は、非常にたくさんあり、
タマネギ 、
ペコロス 、
ネギ 、
アイヌネギ 、
チャイブ 、
シロウマアサツキ 、
ニラ 、
ノビル 、
アリウム 、
ラッキョウ 、
イトラッキョウ 、
ヤマラッキョウ 、
ミヤマラッキョウ
などを掲載している。
【追記】
ネギ属は、APGⅢ
でユリ科から分離し、ヒガンバナ科のネギ亜科に変更になった。