ユ リ ➡ ヒガンバナに変更(APGⅢ)
アリウム( ネ ギ )
Allium fistulosum
アリウム・フィスツロスム
Japanese bunching onion , Welsh onion ,
Spanish onion , Two-bladed onion
中国西部またはシベリア原産
多年草
ネギは、ネギ属の1種で、葉を野菜として利用する。
ネギは、中国西部又はシベリア原産といわれる。
中国では紀元前3世紀の「爾雅(じが)」に山葱の語があり、
6世紀にはすでに2型に分化していた。日本では「日本書紀」
(720年)に秋葱とあり、平安時代には育苗した苗を植えて栽培していた。
ネギの葉身は円筒状で先はとがり、表面にろう物質がある。
葉鞘も円筒状で内部の葉を包み、淡緑色で、
土寄せすると白色化し質がやわらかくなる。
葉鞘を俗に白根とよび、白根の長い栽培品種を根深ネギとよび、
葉身を主とする栽培品種を葉ネギとよぶ。
側芽分化の程度は栽培品種で異なり、分げつ
(植えた親株から子が出て株数が多くなること)
しにくい栽培品種を俗に一本ネギとよぶ。
花茎はおおむね葉と同長で、やはり円筒状で、
頂部に苞で包まれた散形花序をつけ、花序を俗にネギ坊主とよぶ。
花被は鐘状で開張せず、白色で種子は黒色で、
三角形で、タマネギよりやや小さい。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
ネギの栽培品種は形態的、生態的特徴から次のように分類できる。
加賀(かが)群………………寒地に分布し、耐寒性が強く、積雪下の越冬率が高い。葉鞘部は太く、
本群の「岩槻」は葉ネギや芽ネギとして利用する。
下仁田(しもにた)…………群馬県下仁田地方特産の一本ネギで、葉鞘は短大で特異な形態をし、ネギの変種ともされる。
肉質がやわらかいので風味がよいが、収穫量が少なくあまり普及していない。
千住(せんじゅ)群…………関東地方中心に東日本で栽培される。葉身はややかたいが、葉鞘が長く土寄せして軟白し、
根深ネギとして用いる。
晩(おく)ネギ………………ふつう根深ネギより抽だい(茎が伸びて花を咲かせる準備をすること)が20~30日遅く、
4~5月上旬に収穫できる。品質はあまりよくない。
坊主不知(ぼうずしらず)…ほとんど抽だいせず、ふつうの品種の抽だいする5~6月の端境期に出荷できる。
株分けで増殖し、品質は中位である。
越津(こしず)………………九条群と千住群との中間的な栽培品種で、両品種群の栽培地域の中間にあたる中京地区で
栽培する。黒柄と合柄の2系統があり、ともに土寄せを行う。
九条(くじょう)群……………分げつ数が多く、葉鞘は短いが葉身は長く、質がやわらかいので食味が優れ、
葉ネギとして西日本に多く栽培する。夏は成長が停滞するが冬は成長を続け、
冬を中心に周年用いられる。
ネギ属については、
アリウム を参照のこと。
本属の仲間は、非常にたくさんあり、
タマネギ 、
ペコロス 、
アイヌネギ 、
チャイブ 、
シロウマアサツキ 、
ニンニク 、
ニラ 、
ノビル 、
アリウム 、
ラッキョウ 、
イトラッキョウ 、
ヤマラッキョウ 、
ミヤマラッキョウ
などを掲載している。
【追記】
ネギ属は、APGⅢ
でユリ科から分離し、ヒガンバナ科のネギ亜科に変更になった。