奈良の八重桜
バ ラ (サクラ亜科)
プルヌス(サクラ [サクラ亜属])
Prunus verecunda cv. Antiqua
プルヌス・ウェレクンダ(園芸品種)アンチクア
( Null )
園芸品種(カスミザクラ系)
落葉高木
1枚目(右上)は、2024年の奈良の八重桜 Bestshot である。
桜の七変化ともいえる奈良の八重桜の花姿の変化の一つと
してこのような色の濃い花もあり、この一枚を2024年の
Bestshot とした。
2022年・2023年は奈良の八重桜を撮影していないため、 Bestshot はありません。
2枚目(左)は、2021年の奈良の八重桜 Bestshot である。
この公園に植栽されている桜の中で最も変わっていると言う
か不思議な桜であるその花姿の一つである、この一枚を2021
年の Bestshot とした。
3枚目(左)は、2021年4月30日の奈良の八重桜である。
2枚目(左上)や4枚目(左下)と同じ桜とはとても思えない
花姿である。
花の右側と左側で色がこんなにも異なる桜は他には無い。
奈良の八重桜は一般的には八重咲きとなっており、この花は
まさしく八重咲きであるが、3枚目はどう見ても半八重咲きであ
り、この違いは私の知識ではとても理解できなく、見るたびに
異なった花姿を見せるこの桜から目が離せない。
4枚目(左)は、2019年4月22日に開花したばかりの
奈良の八重桜であり、淡紅色の八重咲きで、花径が 3.0~3.5㎝
(実測)の中輪で、花弁は約10~12枚である。
(私の図鑑では花弁は30~35枚となっているが、
この違いは不明である)
この公園に植栽された桜は、ほとんどが植栽2年目には
開花が見られたが、この奈良の八重桜は、
植栽3年目でやっと開花し、このような綺麗な花が見れた。
5枚目(右上)は、2021年4月15日の奈良の八重桜の花の
直径を計測したものである。
花径は 3.15 ~ 3.27 ㎝で中輪である。
ナラノヤエザクラは、カスミザクラ系の園芸品種である。
樹高は、10~15mになる落葉高木である。
樹幹色は暗灰色である。若芽は紅茶色である。
葉は、倒卵形で、重鋸歯縁である。
開花時期は、4月下~5月上旬と遅咲きである。
花色は淡紅色で満開時に白色になる。
花径は2.5~3.5㎝で、花は八重で花弁は30~35枚である。
雄しべは37~42個で、雌しべは1~3個で雄しべより長い。
萼筒は短筒形である。結実する。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )]
6枚目(左)は、2019年4月18日の奈良の八重桜の「つぼみ」
で、奈良の八重桜の開花時期は4月下旬~5月上旬であり、
8枚目(左下7)の紅色に色づいた冬芽からつぼみが2~3個
出てきた状態である。もうすでにつぼみの先端が割れ、雌しべ
が見えており開花が近いことが考えられる。
普通、この状態から数日程度で開花する。
(予想通り、4日後に開花した)
7枚目(左)は、2019年4月11日の奈良の八重桜の若葉で、 奈良の八重桜はつぼみが出るのに先立って、このように茶色 の若葉が出始める。
サクラ属については、
サクラ
を参照のこと。
撮影地の新舞子マリンパークの品種別桜並木配置図は、
新舞子マリンパーク桜並木配置図 を見て下さい。なお、
同配置図が文字ズレで見にくい場合は
PDF版で見て下さい。PDF版は5ページに分割されているため、
スクロールして見る必要があり、ちょっと手間ですがご容赦下さい。
また、新舞子マリンパーク桜開花時期実績については、
2018年実績(Darkblue ver.) 、
2018年実績(従来版) 、
2019年実績(Darkblue ver.) 、
2019年実績(従来版) 、
2021年実績(Darkblue ver.) 、
2024年実績(Darkblue ver.) を見て下さい。
8枚目(左)は、2021年4月1日現在の奈良の八重桜の 冬芽 で、 奈良の八重桜の開花時期は4月下~5月上旬であり、 8枚目(左下)に比べ、冬芽の先端が割れ、 明らかに紅色の 冬芽( 花芽 か 葉芽 ) が見え始めた状態である。
9枚目(左)は、2021年3月15日の奈良の八重桜の冬芽で、 奈良の八重桜の開花時期は4月下~5月上旬であるが、芽の 先端が割れ冬芽が膨らみ始めた状態である。
10枚目(左)は、2019年3月12日の奈良の八重桜の冬芽で、 奈良の八重桜の開花時期は4月下~5月上旬であり、まだ全く 堅い状態である。
11枚目(左)は、奈良の八重桜の萼と萼筒および花柄である。
萼は5枚で、全縁で長く、やや反り返り、色は淡緑~暗紅色である。
萼筒は短筒形で、色は淡緑~暗紅色である。
花柄は 2.0cm(実測)と短くて短毛が有り、色は緑色である。
花は八重の中輪であるが、花柄が短くしっかりしているため、
花は下垂しにくく上向きに咲く花もある。
12枚目(左)は、2021年4月26日の花弁が散って萼と雌・雄し
べだけになった奈良の八重桜である。
雌しべは確認できないが、雄しべと萼はしっかりしており、
また別の顔を見せている。
なお、中心分に白い塊が有るが、これが何かは不明である。
13枚目(左)は、2021年4月30日の花弁が散って萼と雌・雄し
べだけになった奈良の八重桜で、12枚目(左上)と同じ状態で
あるが、中心に有る淡緑色で卵形のものが何なかが非常に
興味が引かれるところである。
また、雌しべが3個確認でき、その根元には黄色い実が確認
でき、それぞれの雌しべの周りには雄しべが取り巻いており、
3個の花が有るように見える。
とにかくこんなに変わったものを見たのは初めてであり、つく
づく奈良の八重桜の不思議さをかいま見た感じである。
14枚目(左)は、2021年4月30日の奈良の八重桜の実である。
実はまだ結実したばかりであり、双子で非常に小さく、緑色を
している。
なお、奈良の八重桜の実は、双子のものが約半数有り、双子
の実がつく他の桜に比べ、その比率が非常に大きい特徴がある。
なお、このように双子や親子の実は、
「 アーコレード(双子)」、
「 ウコン(双子)」、
「 コトヒラ(親子)」、
「 ジュウガツザクラ(親子)&(双子)」、
「 スルガダイニオイ(双子)&(双子)」、
「 ミヤビ(双子)」、
「 ヨウキヒ(双子)」
などを掲載している。
15枚目(左)は、2021年5月10日の奈良の八重桜の実である。
実は非常に小さいが、もうすでに赤く熟した状態である。
このように小さい状態で熟した様子を呈する実は、この後まも
なく落果してしまう。
同じような実は、
「 ウコン 」、
「 ギョイコウ 」、
「 マメ 」、
などを掲載している。
16枚目(左)は、2021年5月10日の奈良の八重桜の実の大き
さを計測したものである。
まは、長さが 4.3 ㎜で、径が 3.4 ㎜と非常に小さく、傷も付い
ており、おそらくこの後落果してしまうと思われる。
17枚目(左)は、2024年6月14日の奈良の八重桜の実の大き
さを計ったもので、長さが 7.0 ㎜、径が 7.0 ㎜で扁平率が
0.00 と完全なな球形で、全体が暗赤色になってきており、完
熟が近づいている状態ですが、残念なことにこの先を確認す
ることができず、完熟した実を見ることはできませんでした。
このように、完熟間近の状態までは見ることができても、その
後、真っ黒か、真っ赤に熟すのかを確認できていない実は、
「 アーコレード」、
「 アリアケ(有明)」、
「 オオカンザクラ(大寒桜)」、
「 カンヒザクラ(寒緋桜)」、
「 コトヒラ(琴平)」、
「 シュジャク(朱雀)」」 である。
18枚目(左)は、2018年6月2日の奈良の八重桜の葉である。
葉は、倒卵形で、葉身 11㎝、幅 6㎝(実測)で、葉先は長く、
とがっているのが特徴である。
葉は重鋸歯縁で鋸歯の先は針状にとがる。
19枚目(左)は、2018年6月2日の奈良の八重桜の若葉で、
黄緑茶色である。
葉柄は帯紅紫色で上方に一対の紅色の蜜腺がある。
葉柄の基部には、切れ込みの深い離生托葉がある。
20枚目(左)は、2024年6月5日の奈良の八重桜の樹形である。
植栽8年目の奈良の八重桜で、樹形は広卵状で、樹高は
2.9 m(実測)で、植栽8年目で3m 弱と、当公園では普通の成
長状態です。
21枚目(左下)と比べても6年間で樹高は 70 ㎝も成長し、枝
張りも立派に広がっており、順調に成長していることが伺える。
1枚目画像撮影日:2024.04.25
2枚目画像撮影日:2021.04.15
3枚目画像撮影日:2021.04.30
4枚目画像撮影日:2019.04.22
5枚目画像撮影日:2021.04.15
6枚目画像撮影日:2019.04.18
7枚目画像撮影日:2019.04.11
8枚目画像撮影日:2021.04.01
9枚目画像撮影日:2021.03.15
10枚目画像撮影日:2019.03.12
11枚目画像撮影日:2019.04.22
12枚目画像撮影日:2021.04.26
13・14枚目画像撮影日:2021.04.30
15・16枚目画像撮影日:2021.04.10
17枚目画像撮影日:2024.06.14
18・19枚目画像撮影日:2018.06.02
20枚目画像撮影日:2024.06.05
21枚目画像撮影日:2018.06.02
(1~21枚目撮影場所は、新舞子マリンパーク[愛知県知多市])
21枚目(左)は、2018年6月2日の奈良の八重桜の樹形である。
植栽2年目の奈良の八重桜は、樹高 2.2m(実測)である。
百人一首で伊勢大輔(いせのたいふ)が詠んだ
「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」
(現代語訳 : いにしえの昔の、奈良の都の八重桜が、今日は九重の宮中で、
ひときわ美しく咲き誇っております。)は、この品種を
詠んだものともいわれている。