ラ ン(蘭)
ラ ン
(約750属)
Orchidaceae(科の学名)
オルキダケアエ
Orchid
北緯72°~南緯約56°、
海岸から標高4600mに分布
常緑または雨緑性多年草、
まれに二年草ときにつる性植物
ランという呼び名は、一般にはラン科の植物の総称として使われている。
本来この図鑑は、属および種を基準に作成しているが、
特例として「ラン」を一ページとして作成した。
ラン科の植物は、ロシアのレナ川に沿った北緯約72°から
チリ南端のホーン岬に近い南緯約56°までの間に、
さらに海岸から標高4600mにわたって、約750属2万種
(15000~35000と諸説がある)が、地球上に広く分布している。
常緑または雨緑性の多年草、まれに二年草、ときにつる性である。
ヤクシマラン亜科とアツモリソウ亜科はふつう地生だが、
後者は岩上や腐植質のある樹幹などに着生するものもある。
ラン亜科は着生種の割合が圧倒的に多いが、地生種も数百種あり、
それらの中には腐生種(無葉緑種)も少なくない。また地中生や半水生の種もある。
地生種の根はしばしば塊根状となり、着生種ではふつう気根が出る。
茎は仮軸分枝が多いが、単軸分枝するものもある。
仮軸分枝する種の茎の基部はしばしば太い根茎状になる。
ラン亜科ではときに球茎となり、また節間は偽鱗茎になる種類が多く、
越冬は耐乾のための貯蔵器官になっている。
葉身は基本的に全縁で、線形から楕円形で平行脈をもつが、
3~5裂で基部が心臓形で網状脈をもつものもある。
葉の基部は茎を包む鞘になっているものが多い。
葉は基本的には互生であるが、ふつうの葉の位置が接近して、
1対の対生または輪生に見えるものもある。
花は左右相称だが、ヤクシマラン亜科ではそれほど明瞭ではなく、
放射相称に近い。
子房は180°ねじれている種類がほとんどである。
このためアツモリソウ亜科とラン亜科に関しては、
横向きに咲く花の最上方に位置する1枚の外花被片を
ふつう背萼片(まれに上萼片または中萼片ともよぶ)
といい、下に位置する1対の外花被片を側萼片
(ときにこれら2個が合着して1個の合萼片、
3個全部が合着して萼筒をつくる)という。
種類によっては側萼片が花の後方に距状に突き出ているものもがり、
その場合は内側にある蕊柱(ずいちゅう)の基部も伸びている。
内花被片は外花被片と交互の位置にあり、
背萼片と側萼片の間に位置する2個を花弁または側弁(側花弁)という。
背萼片と対に、つまり花の一番下に位置する内花被片は、
しばしば大形化し、形や色の変化に富み、
種類の特徴をよく表す場合が多く、これを唇弁という。
唇弁はとくに目立った形や色を示さない種類であっても、
ほかの5個の花被片とは多少なりとも異なった形態を示す。
ラン科の雄しべはユリ科と同様に、3個ずつが同心円状の2つの輪上に
交互に並ぶのが元来の配列である。
しかし、途中で消失するもの、また仮雄ずいとして残るものがある。
これらの雄しべの花糸部分と雌しべの花柱部が癒合して、
蕊柱といわれる器官の主要部を形成するが、
これは単子葉植物の中でラン科の際立った特徴のひとつである。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
五枚目(左)は、 Junko さんが、『 画像は京都の鴨川。だいぶ北方向です。 もう少し上流に京都植物園があります。そこのランとスイレンも。』 とのコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
三枚目(左上二)は、「アンゲストオリンパス・レックス」、
四枚目(左上三)は、「フォンテナイト」
という園芸名が付いているようであるが、
確認できないため一般のランとしてここに掲載した。
本図鑑では、ラン科の植物として、次の属の植物を掲載している。
オンシジウム 、
エビネ 、
エピデンドルム 、
カキラン 、
カトレア 、
サルコキルス(カヤラン) 、
キンラン 、
アツモリソウ(クマガイソウ) 、
コチョウラン 、
ミズトンボ(サギソウ) 、
シラン 、
シンピジウム(シュンラン) 、
ジゴペタルム 、
デンドロビウム 、
ネジバナ 、
ハクサンチドリ 、
バンダ 、
ブラッサボラ 、
マスデバリア